CADとは？

CAD（Computer Aided Design）は、日本語では「コンピューター支援設計」と呼ばれ、パソコンで設計・製図を行うためのソフトウエアです。CADの最大の特徴として、簡単かつ正確に製図ができる点が挙げられます。手描きで行う場合に比べて、製図のスピードが速く精度も高いです。データで図面を管理できますので、修正や変更、共有や保存も容易にできます。

CADの種類

CADの種類は、専門性や扱える次元などによって分かれます。

・専門性

専門性での分類は、汎用CADと専用CADの2種類です。
汎用CADとは、多様な業界や用途に適応可能なCADソフトウエアを指し、基本的な製図機能や図形編集機能などを備えています。汎用CADは、幅広い分野で利用できる汎用性の高さが特徴です。

一方、専用CADとは、特定の業界や用途に特化したCADソフトウエアを指し、その業界や用途に必要な機能やデータなどを備えています。

・次元

物体を3次元で表現できる3DCADと、平面上で表現する2DCADに大別できます。3DCADは3Dモデリングを作成し、形状・サイズ・質感などを含めて立体的に表示できます。2DCADは、正面図・平面図・側面図の作成を行える基本的な設計ツールであり、3DCADと比べて比較的学習が容易な傾向にあります。

CADが使われている業界

CADが特に多く使われているのは、建築・土木業界です。建築・土木業界では、CADを使って、建物や構造物の平面図や立面図、断面図などを作成します。

CADでは、建物や構造物の形状や寸法、配置や関係などを正確に表現できます。また、建物・構造物の強度や安全性、耐震性などの解析やシミュレーションも可能です。
CADは、建築・土木業界において、設計や施工の基本となるツールです。他にも、製造や医療など様々な業界で利用されています。

CADはどのようなときに使う？

CADは様々なときに使えますが、主な用途は以下の5つです。

・設計

建物や構造物、室内空間などの図面作成が可能です。図面の規格や管理が統一されるため、作業の品質や信頼性が高まります。

・デザイン

建物や構造物、室内空間などのデザインを行えます。外観や間取りなどを立体的に表現することもできます。

・解析

建物や構造物、室内空間などの性能や特性の解析、不可や動作などのシミュレーションを実行できます。その結果を数値やグラフ、アニメーションなどで表示することも可能です。

・3Dプリンター用のデータ作成

3Dプリンター用のデータ作成の用途でも使えます。CADでは、3Dプリンターで出力したいものの形状やサイズ、色や素材などを自由に設定することができます。

・工作機械用のデータ作成

工作機械で加工したいもののデータを作成でき、その形状や寸法、切削条件や工具などを詳細に設定することが可能です。CADを利用することで、工作機械での加工の精度や効率が向上します。

CAD人材が人手不足の原因とは？

CAD人材は人手不足に陥っています。その原因として挙げられるのが、若手エンジニアの不足や実務経験・スキルが必要であることなどです。
CADは、若手エンジニアにとって必須のスキルとなっていますが、若手エンジニアの数自体が減少していますので、CAD人材の供給が追いついていません。若手エンジニア不足の背景には、少子化や高齢化、理系離れなどがあります。

・実務経験とCADスキルを兼ね備えた能力が必要

CADを使用する際には、ソフトの操作だけでなく、実務に即した設計や製図ができる能力が求められます。しかし、実務経験とCADスキルを兼ね備えた人材は、希少な存在です。そうした能力を育成するためには、教育や研修などの投資が欠かせません。

・CADのコストが高い

CADを使用するためには、高性能なソフトやハードウエアを必要とします。また、CADのライセンス料や更新料も高額です。それらのコストが高いことはCAD人材の採用や教育にも影響し、人材の需要と供給のバランスを崩す要因の一つとなっています。

CADは様々な分野で重要な技術ですが、自社でCAD人材を育成するのが困難な場合もあります。そうしたときに利用できるのが、CADの代行サービスです。CADの代行サービスでしたら、CADの専門家がご要望に応じて設計や製図を代わりに行います。
CADの代行サービスを利用することで、CADのスキルや知識がなくてもプロの品質の設計や製図が得られ、時間やコスト、リスクも削減できます。