CADの外注先

主な外注先として挙げられるのは、専門の請負業者とフリーランスです。請負業者は図面作成やトレースの代行サービスを事業としていますので、高い技術力を有している傾向があり、品質の高い作図が期待できます。ただし、費用が高めであり、請負業者の繁忙期には納期の指定が難しいかもしれません。

一方のフリーランスは、低価格で納期の融通もききやすい傾向にあります。ただし、技術力レベルが一定ではありません。依頼する前に実績やポートフォリオなどを確認し、信頼できる人物かを見極めることが大切です。

CAD外注のメリット

高品質の図面を作成できる点、自社の負担を軽減できる点がメリットです。

・高品質

専門の技術者が作成・トレースを代行することで、品質の高い図面を確保できます。CADソフトウエアには様々な種類があり、専門的な技術や知識が必要です。CAD作図を専門的に行う業者は、業種や図面の種類に合わせてソフトウエアを選定し、正確で高品質な図面の作成を行います。2次元の図面だけでなく、複雑な3次元の図面も作成でき、設計途中の変更や修正にも柔軟に対応できます。

・時間の節約

CAD作図は、設計するものの構造によっては膨大な時間を要します。設計士や建築士は図面の作成以外の業務が多いため、CAD作図を外注すると他の業務に時間を費やすことが可能です。人材不足により新しい人材の確保が難しい状況下でも、企業の生産性を向上できます。また、仕事の受注件数によって全体の仕事量が増加しても、迅速かつ品質を保ちながら作図に取り組めます。

・コストの削減

CAD作図を自社で行うには、ソフトウエアの費用だけでなく作図を行う社員の採用や教育にもコストがかかります。特に、CAD作図が可能な社員を雇用するためには、採用サイトへの登録やスカウトに膨大な費用が必要です。未経験の社員にソフトウエアを教育したとしても、実際に図面が作成できるようになるまでにはかなりの時間を要します。CAD作図を外注することで、社員の育成費や設備費、採用コストの削減につながります。

CAD外注のデメリット

CADの作図やトレースを外注するメリットは多いですが、デメリットもあります。まず、これらの作業に関する知識やノウハウを社内に蓄積できませんので、将来的な内製化が困難です。また、CAD作図を長い期間外注する場合、自社で行うよりもコストが高くなる可能性があります。

CAD外注の注意点

CAD作図やトレースを外注する際に注意すべきポイントは、以下のとおりです。

・依頼内容を明確にする

依頼する図面の種類や構造の詳細、費用、納期を外注先の業者に明確に伝える必要があります。依頼内容が曖昧なまま外注すると、考えていたものと異なる図面が納品されるおそれがあるからです。

・外注先の業者の実績を確認する

ウェブサイトや問い合わせをとおして、依頼したい業務の実績が豊富かどうか確認する必要もあります。品質の高い図面作成やトレースを希望するなら、請負業者へ依頼するほうが無難です。