3DCADと2DCADの違い

3DCADと2DCADの違いは、3Dで製図することが可能か否かです。3DCADではデータから高さ、幅、奥行きを持った立体的なモデルを生成でき、変更や修正なども容易に行えます。ただし、2DCADよりも専門的な知識が必要であり、操作に慣れるまでにも時間がかかりますので、コスト面で高くつくのがデメリットです。

2DCADでは、正面図、平面図、側面図をそれぞれ作成します。2DCADのメリットは、ソフトウエアの価格が手頃で導入が容易な点です。ただし、2DCADの場合、立体的にするために第三角法を用いて製図しますので、時間がかかります。

3DCADのメリット

設計物の形状や構造を把握する際、3DCADが有用です。3Dデータは直感的に把握できるため、複雑な形状のデータは、設計者が理解しながら設計や説明をスムーズに進められます。また、3DCADは、機械操作の作業手順書や家電の取扱説明書などに掲載するテクニカルイラストの制作にも適しているソフトウエアです。

3DCADの種類

3DCADは価格帯や機能によって3つのクラスに分けられます。それぞれ登場した年代やソフトウエアの規模、活用している層などが異なっているのが特徴です。

・クラス

ハイエンドCAD：CADの中でも歴史が長く、高速処理でリードタイムの短縮が可能ですので、業務の効率化につながります。汎用性の高いものも多く、他のCADデータを多く読み込めるのもハイエンドCADの魅力です。

ミッドレンジCAD：WindowsOSをベースに動作するパソコン向けの中間クラスの3DCADです。ハイエンドよりもコストを抑えられ、業種・企業規模も関係なく幅広く活用されています。ハイエンドと比較して、読み込めるデータが限られるのが特徴です。

ローエンドCAD：誰でも手が届きやすい価格帯で、中には無料で利用できるソフトウエアもあります。ただし、安価な分機能が限定的になるため、業務での使用には向いていない場合がありますので注意してください。

・専門性

3DCADは、専門職に特化したものも展開されており、代表的なのが建築・機械・土木の3つです。

建築CAD：住宅やビル、学校など建築物の図面依頼で使用するCADです。意匠図や許可申請用図面など、様々な図面作成で使用されています。

土木CAD：道路や橋、鉄道など各種インフラ構造で使用されるCADです。土木CADには、測量などの土木プロジェクトに特化した機能を提供している専用CADもあります。

機械CAD：自動車・航空機などの機械工学の分野で広く用いられる3DCADです。3D形状でモデリングができ、部品の寸法や設計公差などを高精度で指定できます。

3DCADを使いこなすには、2DCADよりも高度な知識と技術力が必要です。3DCADでの図面作成や図面トレースは、専門業者へ外注することも検討してください。