CAD図面を外注依頼する場合の料金相場

CAD図面の外注では、建築系と機械系、さらに図面作成・トレースの難易度や業者によっても料金が変動します。

・建築系

橋梁や住宅などの設計図や施工図などの図面作成を指します。基本設計・実施設計の図面依頼の外注料金は平面図・立面図、平面詳細図、展開図・建具図の項目に分けられます。

一般住宅（2階建て木造住宅）を想定した相場は、以下のとおりです。

外注する際は、依頼する前に料金の表示方法をしっかり確認しなければなりません。「12,000円／枚」のような表記は一律料金を、「A3サイズ12,000円～」のような表記は最低料金を意味するからです。また、店舗などの建物になると営業所求積図や客室求積図、音響照明図などの項目も加わりますので、一般住宅よりも高くなる傾向が見られます。

・機械系

自動車や工作機械などの図面作成を指します。レンダリングを伴わない場合の料金目安は約2,500～12,500円、国内企業にCADトレースを外注する場合は、約8,000～10,000円です。形状の複雑度によって料金が変わります。

CAD図面依頼は海外への外注も可能だがデメリットも

CADの図面依頼は、国内だけでなく海外へのアウトソーシングも可能です。近年では海外アウトソーシング先として、ベトナムやネパールなどの国が多く見られるようになりました。ベトナムやネパールに依頼するメリットは、低コストでクオリティが高く、長期休暇中も稼働している点です。

日本国内では、ゴールデンウィークやお盆、年末年始、年によってはシルバーウィークなど長期休暇が多く、この期間中は会社が稼働していません。そのため、国内企業に依頼するとスケジュール通りに進まず、業務が遅延することもあります。海外では、日本国内が長期休暇であっても稼働しており、日本とは時差もありますのでうまく利用すればスケジュールの調整が可能です。

また、ベトナムなどではITの人材育成も進んでいることから技術力が高まっており、低コストでありながら高クオリティの成果が期待できます。

一方、海外アウトソーシングのデメリットは、意思疎通や信頼性の担保などが難しい点です。ベトナムなどは日本語を話せるスタッフも多いのですが、日本人特有の細かなニュアンスなどが伝わりづらいケースもあります。ホームページに偽造された実績を掲載している請負業者も残念ながら見られますので、信頼できる業者を見極めることが必要です。

また、送金や送金手数料なども国内企業に依頼するより高額になる場合があります。海外への送金は手数料が高く、外注料金が抑えられても手数料で高くなってしまう可能性がありますので、注意が必要です。